サブプライムから始まった経済危機によって消費が落ち込むなか、景気下支えのために、麻生総理が追加経済対策を発表しました。そのなかで、今年で終了となる予定だった住宅ローン減税の延長と拡大案が浮上してきました。住宅ローン減税とは、借金して家を買った人が、確定申告で手続きを行うだけで、一定期間にわたり税金が還ってくる制度です。
ただし減税額が過去最大の600万円といっても、まるまる600万円還ってくるわけではありません。減税は毎年のローン残高の1%なので、600万円というのは、借金の上限6,000万以上を借り入れて、減税期間の10年間で元金が6,000万円を下回らない場合に得られる金額であって、相当な高額物件を借り入れで買った場合くらいしか起こりえません。
ただし現行制度では、借入金の上限は2,000万円、減税は最初の6年はローン残高の1%、その後の4年間が0.7%で、最大減税額は160万円です。現行制度の場合、減税対象借入金が低いので、かなりの確率で100%減税を受けられるとは思いますが、新制度では減税対象借入金の額が増えていますので、4,000万円くらいの借り入れをする人であれば、倍以上、減税の恩恵を受けることができるでしょう。
住宅ローン減税の手続きは難しいことはなにもありません。住宅を取得した初年度のみ、最寄りの税務署で確定申告を行うだけです。確定申告の際には、確定申告書、住宅借入金取得等特別控除額の計算明細書、住民票、物件の売買契約書、不動産登記簿、源泉徴収票、住宅ローンの年末残高証明書が必要です。
最初の年は準備する書類も多く、かつ税務署にいかなければならないのでちょっと面倒ですが、2年目以降はサラリーマンの場合、会社に必要書類を提出すれば、年末調整でかえってきますので、その後はらくちんです。提出書類は、最初に確定申告した後に、税務署から送ってくる年末調整のための住宅借入金等特別控除証明書と、給与所得者の住宅借入金等特別控除申告書、そして住宅ローンを借りている金融機関から10月終わりごろに送られてくるローン残高証明書の3点になります。ほとんどの会社は年末調整時に、住宅ローン控除の手続きを丁寧に解説しているはずですので、それにしたがって手続きをすれば問題ありません。
なお減税はあくまで税額がその分減るということであって、支払っている税金が、控除の金額に満たない場合、最大でも支払った税金分しか戻ってきません。ただし平成19年の所得税の財源委譲に伴って、住宅ローン減税の不足分は住民税から還付されることになりました。これを受けるには、年末調整とは別に毎年各市町村に申告書を提出する手続きを行う必要がありますので、注意してください。
ちなみに平成21年の住宅ローン減税拡大の恩恵を受けられるのは、居住開始が平成21年からです。この居住開始というのはローン開始でもなく、住宅の引渡し日でもありません。住民票が移った日からということになります。通常住宅ローンを借り入れる場合、ローンの実行手続きを行うときには住民票が移っている必要があります。ローン実行後に引渡しということになりますので、住民票を移すのはその前ということになります。ちょっと順番が逆のように見えますが、とくにタイミングが年末年始で微妙な方は、平成20年と平成21年どちらの制度の対象になるかで、相当減税額に差が出ますので、すでに住宅購入の話が進んでいる場合は、タイミングを業者とよく相談して、できるだけ新制度の恩恵を受けられるようにしましょう。