空売りとはどんなもの

毎日乱高下を続ける株式市場。日経平均がバブル後最安値を更新したり、戦後最大の下げ幅を記録したりと、毎日ニュースに事欠きません。そんななか、株価の下落の一因と目されている株の空売りが、日本でも大々的に規制をされることになりました。

本当に株の空売りが、株価下落の主犯なのかは専門家の間でも意見が分かれるところではあります。では株の空売りの仕組みはどうなっているのでしょう。また空売りの利用目的なども紹介したいと思います。個人でもできる空売りですが、市場全体でどのような機能を果たしているのかを理解しないと、とても危険です。

空売りというのは、英語で”short selling”と呼ばれ、略して”short”とだけ言われることが多いです。実際には売るべき株を保有していないのに、将来のある時までに返すことを約束して、市場で株を売ることをいいます。売るべき株を持っていないのに売ることから、「空」売りといわれるのです。売ったときの金額よりも、返す株を買うときの金額のほうが安くなれば、その分が投資家の利益になるという仕組みです。

実際の制度としては、売り買いを行う証券会社に担保(現金や現物株)を差し入れて、その担保をもとに、証券会社から株を借りて売りに出し、通常は6ヶ月後までに、その株を買い戻して証券会社に返すというものです。担保をもとに株を借りるため、信用売りともいわれています。ただし借りる以上は、日々貸株料がかかります。

空売りの役割とつきあい方

空売りというのは、相場下落局面でも利益を出せるため、インサイダーや仕手戦などで悪用されてきた歴史もあります。株価を上げるよりも、下げることのほうがはるかに簡単ですから。一方で、空売りした株は、半年後には買い戻さなければならないので、相場上昇局面になると、空売りの投げがでて、相場上昇を加速させる効果もあるのです。

世界同時株安で一躍有名となったヘッジファンドは、市場価格が割安な株は買い、割高な株は空売りをして、利益を上げることを目指すものが多いです。売りと買いの反対取引を行うことから、「ヘッジ」ファンドと呼ばれています。昔と違ってヘッジファンドもリスクとリターンを注意深く管理するようになっていますので、闇雲に空売りを仕掛けるということはありません(なかにはそういう投機筋もいるようですが)。あくまで株価水準を見て動いているわけですから、ヘッジファンドが空売りをしなくても、下がるものは下がるのです。逆に将来の売りが伴う空売りが減ることは、短期的な下落を抑制する効果はあっても、将来反発時の推進力を奪う可能性もあるのです。

ではこうした空売りの制度や仕組み、現在の環境を考えると、個人投資家としてはどのように動けばいいのでしょう?基本的には個人では空売りには手を出さないほうがいいと思います。ヘッジファンドのような反対取引もできなくはないですが、それにはきちんとした株価評価ができることと、市場の動きを毎日毎時チェックできることが必要です。個人ではそこまでをするのは難しいのが現実でしょう。特に現在のような神経質な相場では、長期投資で現物買いをするにとどめておくのが確実です。

将来相場が安定してきたら、デイトレなどの短期でちょっと利用する程度はいいかもしれませんが、その場合でも損切ポイントを明確に決めて、厳格に行うことが大切です。

いずれにしても自己責任の範囲で投資はしましょう。